法律Q&A
離婚問題
離婚手続
- 1. 離婚の種類
夫と離婚を考えています。離婚にはどのような方法がありますか?
離婚の方法として、主に協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。
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- 2. 裁判上の離婚原因
裁判離婚に必要な離婚原因とは、どのようなものなのでしょうか?
①配偶者に不貞な行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が3 年以上明らかでないとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときです。
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- 3. 有責配偶者からの離婚請求
夫から「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして離婚の訴えを提起されたのですが、そのような事由を招いた責任は夫にあります。このような場合にまで離婚が認められるのでしょうか?
婚姻関係の破綻について責任のある配偶者からなされた離婚請求であっても、一定の場合には離婚が認められます。
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親権・面会交流
- 1. 親権者の決定方法と決定の基準
現在、夫と離婚について話しあっています。私達には小学6 年生になる息子が1 人いますが、子どもの親権を巡って夫と対立しています。離婚をする場合に親権はどうやって決定されますか。
夫婦が離婚した場合、まずは、夫婦の協議によって親権者を決めます。しかし、今回は、親権を巡って夫と対立しているということですので、親権者は、裁判所で決めます。その判断においては、実務上、従前の子の監護の実績、現在の監護状況、子どもの意思が重視されているようです。
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- 2. 面会交流の決定方法及び決定基準
私は、妻と離婚しましたが、私と元妻との間には、小学校3年生になる娘がいます。
離婚の際に元妻が娘の親権者となり、娘は元妻のもとで生活しています。
大事な一人娘なので、娘と会いたいのですが、元妻は会わせてくれません。
娘に会う方法はないですか。家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てて話し合うことができます。調停で話がまとまらなければ、家庭裁判所が、審判によって、面会交流の有無や頻度を決定します。面会交流の有無や頻度は、個々の家庭により異なりますが、月1回程度の面会交流が認められることが多いようです。
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- 3. 子の引渡しの請求
離婚をして私が親権者となったのですが、相手方が小学校を下校中の息子を車に乗せ、そのまま私に返そうとしません。息子を取り返すことができるのでしょうか。
子の引渡しの審判の申立て、審判前の保全処分の申立て、人身保護手続によって、取り返すことができます。
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- 4. 強制執行
親権が私に決まったのに相手方が子どもを引き渡してくれません。
相手方に対して強制執行できますか。親権が決まっただけでは相手方に対して強制執行により子の引渡しを求めることはできません。
しかし、子の引渡しの審判がある場合には、間接強制(金銭のペナルティを課して、間接的に引渡しをさせる方法)又は直接強制(執行官が子を取り上げることで引渡しをさせる方法)により引渡しを求めることができます。人身保護請求の場合には、裁判所が事実上適当な方法で引渡しを実現します。- より詳細な解説はこちら
財産分与
- 1. 財産分与とは
私は、夫と離婚をしようと考えているのですが、離婚するときには、夫名義の財産でも、分けてもらえると聞きました。それはどのような権利なのでしょうか。
財産分与請求権です。財産分与請求権は、離婚した夫婦の一方が、他方に対して、財産を分けてくれるように求める権利で、民法768条1項で定められています。
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- 2. 財産分与の対象
財産分与の対象となるのは、どのような財産ですか。
清算的財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に、夫婦の協力によって形成された財産です。
結婚する前から、それぞれが所有していた財産や、婚姻期間中に相続により取得した財産など、名実ともに夫婦の一方の所有とされる財産(特有財産)は、原則として、財産分与の対象になりません。- より詳細な解説はこちら
- 3. 退職金
退職金は、財産分与の対象になりますか。
離婚時、すでに支給されていた退職金は、財産分与の対象となります。
離婚時、まだ支給されていない退職金については、支給される蓋然性が高い場合は、財産分与の対象となるのが一般的ですが、離婚時に未だ具体化していない場合は、対象になるか、なるとしても具体的にどのような方法で分与するかという点について、裁判例は分かれています。- より詳細な解説はこちら
- 4. 債務の取扱
債務や住宅ローンは、どのように扱われるのでしょうか。
夫婦の共同生活とは関係のない、夫婦の一方の個人的な債務は、分与の対象となりません。
しかし、子供の教育ローンや生活費不足のために生じた借入等、夫婦の共同生活によって生じた債務は、離婚時に清算の対象として考慮するのが一般的です。
但し、夫婦の間での取り決めによって、債権者を拘束することはできません。
住宅ローンについては、不動産の評価額からローンの残額を差し引いた金額を、その不動産価値とみて、財産分与の対象とする方法が用いられることが多いとされています。- より詳細な解説はこちら
- 5. 財産の評価
財産分与の対象となる財産は、いつの時点の財産でしょうか。
また、どのような方法で評価されるのでしょうか。財産分与の基準時については、裁判時や離婚時等、裁判例が分かれています。
財産の評価方法については、法律上の定めはないので、客観的合理的に妥当と認められる方法であればよいとされています。- より詳細な解説はこちら
- 6. 分与割合
どのような割合で、分けるのでしょうか。
たとえば、私は専業主婦ですが、専業主婦の場合と、共働きの場合とでは、違いがあるのでしょうか。清算の割合は、財産の形成や維持に対する寄与の割合によって決めますので、夫婦の個別具体的事情を考慮して決められることになります。現在の実務では、専業主婦の場合も共働きの場合も、2分の1とされることが多いようです。
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年金分割
- 1. 年金分割制度
離婚した場合に、離婚相手の年金を分割してもらえる制度があると聞きました。
離婚相手が受け取る年金の一部を私の方に支払ってもらえるということでしょうか。年金分割とは、離婚をした場合において、婚姻期間中に離婚相手が納付した保険料について、分割を受けた人が、分割を受けた分だけ自分が保険料を納付したものとして扱われる制度です。
これにより算定された年金額を自らの年金として受給していくことができます。
離婚相手に支給される年金額そのものを分割して受け取るわけではありません。- より詳細な解説はこちら
- 2. 年金分割の対象
夫は個人事業で八百屋を営んでおり、私も夫も厚生年金に加入したことはありませんでした。
離婚して夫の受給する年金を分割してもらうことはできますか。年金分割は厚生年金や共済年金を対象としており、基礎年金部分である国民年金は分割の対象外です。したがって、夫婦ともに厚生年金や共済年金に加入していないような場合には分割を行うことはできません。
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- 3. 按分割合の決定
年金を分割してもらうために、離婚相手との間で何か決めなければならないのですか。
もし相手と話がつかなかったときはどうしたらいいのですか。合意分割では分割の割合(「按分割合」と言います。)を夫婦の合意で定めるか、合意ができない場合には夫婦の一方が家庭裁判所に申立てをして、裁判所の手続により按分割合を定めることになります。ただし、平成20年4月1日以降に第3号被保険者(たとえば夫がサラリーマンである専業主婦など)であった期間について年金分割の請求をする場合には按分割合を定める必要はありません。
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- 4. 年金分割の請求手続
年金分割の請求はどこでどのようにすればいいのですか。
合意や裁判手続により按分割合を定めたとしても、当然に年金分割が行われるものではありません。
年金分割を行うには、年金事務所(共済年金の場合は共済組合等)に、必要書類を添付して標準報酬の改定請求を行う必要があります。- より詳細な解説はこちら
- 5. 年金分割の情報提供
私は来年、離婚しようと考えているのですが、年金分割を請求する準備のために必要な情報はどのようにすれば手に入りますか。
年金事務所(共済年金の場合は共済組合等)にある情報提供請求書に必要事項を記入し、年金手帳、戸籍謄本(抄本)等をあわせて提出すれば、年金分割のための情報通知書や被保険者記録照会回答書等を受け取ることができます。この情報提供請求は、当事者双方又はその一方が、現に離婚しているか否かにかかわらず行うことができます。
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養育費・婚姻費用
- 1. 養育費・婚姻費用の支払根拠
離婚となった場合に、子供の養育費を支払わなければならない根拠を教えてください。
また、婚姻費用とはどのような場合に支払うものでしょうか。親は子を扶養する義務を負っており、親権の有無にかかわらず、離婚後も子の養育に要する費用を負担する必要があります。また、夫婦が別居した場合でも、夫婦は互いに扶養義務を負っていますので、夫婦が離婚するまでの間は、お互いの生活費(婚姻費用)を負担しなければなりません。
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- 2. 養育費・婚姻費用の算定基準
養育費や婚姻費用の算定にあたっては、裁判所には算定基準があると聞いたことがありますが、その内容について詳しく教えてください。
簡易迅速な算定をするために、家庭裁判所では算定基準(算定表)を広く活用しています。
この算定基準(算定表)は東京家庭裁判所HP(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/)等で見ることができます。- より詳細な解説はこちら
- 3. 当事者が無職や収入不明な場合の算定方法
義務者が稼働できるのに稼働していない場合や、義務者の収入が不明な場合は、どうやって算定するのですか。
義務者が稼働できるのに稼働していない場合や義務者の収入が不明な場合は、義務者の収入を「0」とするのではなく、推計した収入から養育費を算定します。
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- 4. 子供が私立学校に通う場合の算定方法
子供が私立学校に通う場合、その学費は養育費の算定にあたって考慮されますか。
義務者が私立学校への進学を承諾している場合や、その収入および資産の状況等からみて義務者にこれを負担させることが相当と認められる場合には、考慮されると考えられます。
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- 5. 子ども手当や児童扶養手当等の取扱い
権利者が子ども手当や児童扶養手当を受け取っている場合、これらの公的給付を差し引いた額を支払えばよいのですか。
公的給付を差し引くことはできません。
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- 6. 養育費の増減額が認められる場合
養育費の増額や減額が認められるのは、どのような場合ですか。
養育費を決めた後に、当時は予測し得なかった事情の変更があったことが必要です。
事情の変更にあたる場合としては、①子が進学した場合、②権利者または義務者の収入が増えた、あるいは減った場合、③義務者が再婚をした場合、④子が第三者と養子縁組をした場合等があげられます。- より詳細な解説はこちら
- 7. 養育費が支払われない場合の取立方法
養育費が支払われない場合、どうすればいいでしょうか。
養育費の取り決めが公正証書や調停調書になっている場合には、相手方の財産を差し押さえることが可能です。
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離婚慰謝料
- 1. 離婚慰謝料
離婚慰謝料は、どのような場合に請求できますか?
相手方の有責行為によって、やむを得ず離婚に至った場合、これによって被る精神的苦痛について慰謝料請求が認められます。相手方に有責行為がない場合には慰謝料請求権は認められませんが、双方の合意により離婚に伴う慰謝料の支払を定めることはできます。
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- 2. 慰謝料の算定基準
慰謝料の金額はどのようにして算定するのですか?
婚姻生活の実情、婚姻破綻の実情、離婚に伴う諸事情、請求者側の要因、被請求者側の要因等を総合的に考慮して算定されます。一般的には、破綻の原因となった相手方行為の有責性の程度、婚姻期間の長さ、相手方の資力等が、特に重要な要素と言われています。
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- 3. 慰謝料の相場
離婚慰謝料の金額の相場を教えてください
事案によりケースバイケースですが、裁判例上は100万円~300万円のことが多く、500万円を越えるケースは稀です。協議による離婚の場合は信頼できる統計もなく、著しく低額、あるいは著しく高額なものもあると考えられますが、実態ははっきりしません。
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- 4. 不貞行為の相手方への慰謝料請求
夫が浮気をして離婚することになりました。相手の女性にも慰謝料を請求できますか?
相手の女性に、故意又は過失が認められる場合には、慰謝料を請求することができます。但し、夫から不貞行為に対する慰謝料が支払われた場合には、その範囲で相手の女性に対する慰謝料請求権も消滅します。またその浮気の当時、婚姻関係が既に破綻していたときは請求できません。
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