法律Q&A

法律Q&A

金融商品被害

1. 金融商品被害とその回復の手段

銀行から金利が有利だからと勧められて、銀行が最長10年満期を延長できる特約つきという3年定期預金の契約をしたのですが、3年後、市場金利が高くなったのに契約時のままの安い金利で満期延長されてしまいました。定期預金ですし、自己責任であきらめるしかないのでしょうか。また、どのようにして被害を回復することができるのでしょうか。

まず、実勢金利よりも不利な金利で預金契約を延長されたことによる財産的損失があるといえます。これに加え、業者による違法・不当な勧誘行為が行われた場合には、自己責任とはいえず、金融商品取引「被害」であるといえます。
また、被害回復の手段としては、訴訟のほか、任意の交渉、全国銀行協会やFINMACのあっせん等のADRが考えられます。

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2. 投資信託

証券会社から、「年金に加えて毎月の生活資金の足しになる」と勧められ、それまで保有していた投資信託から短期で乗換え、毎月分配型という投資信託を購入しました。たしかに毎月配当があるのですが、あるとき、報告書をみて、基準価額が大きく目減りしていることに気づき、びっくりしました。基準価額が下がるなどということは全く聞いていません。証券会社の勧誘は問題ではないでしょうか。

投資信託は証券会社の手数料収入源として重要な商品と位置づけられており、顧客に対して、①短期の乗換えを勧めたり、②見かけの分配金は高いものの、実は元本の一部を取り崩す配当を行う「毎月分配型」の投資信託を勧めたりする傾向にあります。勧誘にあたって十分な説明が行われていなかったのであれば、問題です。

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3. 債券

証券会社から、外国のB社の発行した社債をすすめられて購入しました。オーダーメイドでつくった特別の商品とのことで、通常の社債とどこが違うのかよくわかりませんでしたが、金利も年約10%と高かったので、購入したところ、元本がほとんど戻ってきませんでした。担当者の説明によれば「A社の株式の価額が急激に下がったから」ということでした。なぜA社の株価が関連しているのかがさっぱりわかりません。

これは、おそらく仕組債といわれる債券であると考えられます。デリバティブが組み込まれており、顧客は知らず知らずのうちにオプションの売りの立場に立たされ、リターンに見合わないリスクを背負わされている可能性が高いといえます。

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4. 投資詐欺

自宅に突然パンフレットが届き、「2020年の東京オリンピックのオフィシャルグッズの製作会社」への投資を勧められたので、1口だけ出資しました。あとで少し不安になりましたので調べてみますと、運営主体は、金融庁に適格機関投資家等特例業務の届出をしているので安心、との口コミがありました。大丈夫でしょうか。

適格機関投資家等特例業務に関する制度は、本来投資のプロだけを対象として設計されたものですが、実際には、詐欺に悪用されるケースがあとをたちません。本件も、状況からみて、詐欺の可能性が高いです。こうした業者はすぐに破綻するか行方をくらませることが多く、被害回復のためには迅速に動く必要があります。
※下記ライブラリー記事掲載後、平成27年から平成28年にかけて行われた金融商品取引法の改正により、届出制が厳格になり、また、広く一般を対象とした勧誘が禁止されましたが、なおこの適格機関投資家等特例業務制度を悪用した詐欺が行われる可能性があります。引き続き、ファンドの勧誘にはご注意ください。

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