法律Q&A

法律Q&A

不動産貸借の種類・態様

1. 使用貸借か賃貸借か

親から相続したマンション一戸を固定資産税とマンション管理費を負担させて、親戚の学生に、大学卒業まで使わせています。卒業したら無条件で明け渡してもらえるでしょうか。

建物(ないしその一部)を貸借する場合、無償で貸す場合を使用貸借、有償の場合を賃貸借と言います。無償と言っても、一切の対価を受け取らないという場合に限定されず、固定資産税やマンション管理費などの実費を借主に負担させるにとどまる場合は、使用貸借であると考えられますので、本問は使用貸借といえます。
使用貸借の場合、期間の定めがなくても、契約に定めた目的にしたがった使用収益が終了することにより、返還義務が生じるので、借主が大学を卒業すれば返還してもらえます。

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2. 土地の一時賃貸借

私は、郊外に広い土地を所有しております。契約書に「一時使用」であることを明示し、契約期間を2 年間として水道業者に事務所兼倉庫を建築する目的でその土地を賃貸した場合、期限が来たら必ず返還してもらえるでしょうか。なお、権利金は受け取らない予定です。

借地借家法に規定のある一時使用目的の借地権とは、臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定した事が明らかな場合に限られます。
本問では、水道事業者の事務所兼倉庫を建築する目的で借地権が設定されており、一時使用の目的で借地権を設定したことが明らかであるとまでいえませんから、契約書に「一時使用」と明記されていても、それだけでは一時使用目的の借地権には該当せず、普通借地権を設定したものとして存続期間は30年となります。

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3. 借地借家法の適用の有無

当社は、スーパーマーケットを経営していますが、その一画を焼きたてパンの店に賃貸しました。売り場面積を広げる計画があるのですが、賃貸借期間が満了したら、明渡を求めることができますか。

焼きたてパンの店が、スーパーマーケットの部分と、構造上及び利用上の独立性・排他性を有している場合は、借地借家法の適用を受けますが、スーパーマーケットの売り場の一部としてショーケースを設置し、他の場所で焼いたパンを陳列して販売している場合などスーパーマーケットとの独立性・排他性が認められない場合には、建物の賃貸借とは認められないため同法の適用はなく、期間満了により賃貸借契約は終了します。

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4. 終身建物賃貸借

私は、現在郊外に内縁の妻と二人暮らしをしています。65 歳になりましたので、買い物にも便利な都心の賃貸住宅に転居しようと考えております。終身借家権制度を利用するとバリアフリーの住宅を賃借できると聞いたのですが詳しいことを教えて下さい。なお、妻は58 歳です。

あなたが死亡したときに賃貸借契約が終了するという条件で、終身建物賃貸借契約を結ぶことができます。奥様は、60 歳未満でもかまいませんし、内縁関係でも資格があります。あなたがお亡くなりになった場合、賃借権の相続はできませんが、奥様は引き続き1 ヶ月間その借家に居住することができ、その間に家主に継続して居住したい旨申し出ることによって、新たに終身建物賃貸借契約を結ぶことができます。

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