法律Q&A

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遺留分

1. 遺留分とは

私の父親が亡くなりました。母親は既に他界しており、私には兄が一人います。父親は、生前、「自分の全ての財産をAさんに遺贈する」との遺言書を書いていました。私は、父親の財産を何も相続できないのでしょうか。

いいえ。あなたにも遺留分という権利があります。あなたの場合は、お父さんの遺産のうち4分の1の遺留分が認められます。

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2. 遺留分の算定

上記のケースで、父は生前、私に対し、私が自宅を購入するための資金を贈与してくれていました。また、父には、債務があります。この場合、父の遺言書によって、私の遺留分がいくら侵害されたのかを算定する方法を教えてください。

抽象的な遺留分の割合のみでは、具体的な遺留分侵害額を確定することはできません。解説で述べる方法により、生前贈与や債務を考慮して、遺留分侵害額を算定する必要があります。

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3. 遺留分減殺請求権

上記のケ-スで、私は、Aさんに対して、遺留分が侵害されたことを主張したいと思いますが、どのような方法によればいいでしょうか。また、Aさんとの間で紛争になった場合、どうやって解決すればよいのでしょうか。

Aさんに対し、遺留分減殺請求を行うことになります。これに対し、Aさんが争ってきた場合には、まず家庭裁判所で調停を行い、それでも解決できない場合は、民事訴訟で解決することになります。

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4. 現物返還と価額弁償

私の父は、私に事業を承継させることを意図して、事業用資産を長男である私一人に相続させる遺言を遺していました。私は、他の兄弟から遺留分減殺請求を受けているのですが、事業用資産の現物に代わって、金銭で弁償することは可能でしょうか。

現物返還が原則ですが、価額で弁償することも許されます(民1041条)。

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5. 遺留分減殺請求権の消滅時効

遺留分減殺請求権に時効はありますか。

あります。遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈のあったことを知った時から1年で、時効により消滅します(民1042条前段)。また、相続開始時から10年を経過した場合も消滅します(同条後段)。

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