法律Q&A
商標登録の無効と商標権の濫用
- 1. 無効理由を有する登録商標に基づく権利行使
もともと誤って登録された(拒絶事由があった)商標権に基づいて権利行使(差止請求等)をすることはできるのでしょうか。
商標登録無効審判により無効にされるべきものと認められる登録商標の商標権者は、その権利を行使することができません。
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- 2. 不正目的で取得した登録商標による権利行使
当社A は洋菓子の製造・販売を行う会社で、数年前からS(商標登録はしていません。)という名称でプリンを販売し、最近SNSで評判になっています。ところが、B社はSと類似するS’という登録商標を第三者から譲り受けて見た目にもそっくりなプリンの販売を始め、当社に商標権侵害だと警告書を送ってきました。こんなことが許されるのでしょうか。
不正な目的で取得された登録商標の商標権者による権利の行使は、権利の濫用として許されない場合があります。
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- 3. 適法に許諾を受けている者に対する権利行使
当社Cは、ある著名な漫画の著作権者から許諾を受けて、主人公の絵や名前Tを付した衣類を製造、販売しています。ところが、今般、主人公の名前と漫画が一体となった商標を登録しているというD社から、Tを付した衣類が商標権侵害だとして製造停止を求められました。D社の主張は正当なのでしょうか。
その主人公の名前が漫画から想起される人物像と一体のものとして周知になっている場合には、D社がC社に商標権侵害を主張することは、権利の濫用として許されない場合があります。
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- 4. 契約・協力関係の解消や、グループの分裂を機に行われた権利行使
元々G1が創設した美術のU流は、G1の子孫が代々継承し、Uを名乗ってきましたが、先代の父G2は継承者を指名することなく突然死去しました。子である私EとFは、これまでもUを名乗ってその普及に努めてきましたが、Fはこれを商標登録し、私が美術教室でUを使用するのを差し止めると言ってきました。このようなことは許されるのでしょうか。
流派内部や需用者との関係において、Uの信用や周知性がFに帰属しているような関係があると認められない場合には、FがEに商標権侵害を主張することは、権利の濫用になる場合があります。
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