法律Q&A
営業秘密について
- 1. 営業秘密の保護について
昨今、技術上又は営業上の情報の漏洩が問題になっていますが、これらの情報は法律上どのように保護されていますか。
会社法等によって、会社役員等には競業避止義務が課されています。また、従業員やライセンシーとの間で秘密保持契約や競業避止契約等を締結して法的な保護を受けることも可能です。更に、情報の取得が不法行為に該当する場合には、民法709条によって、被った損害の賠償請求することもできます。
しかし、これらの保護は限定的で不十分であるため、一定の要件を満たした場合には、不競法によって保護を受けることができます。- 詳細はこちら
- 2. 保護されるための要件
不競法によって保護される技術上又は営業上の情報(営業秘密)とは、どのようなものですか。
不競法によって保護されるためには、①秘密として管理されていること(秘密管理性)、②事業活動に有用な技術上、営業上の情報であること(有用性)、③公然と知られていないこと(非公知性)の三要件を満たす必要があります。
- 詳細はこちら
- 3. 営業秘密の管理方法
弊社の業務は、一定の年齢の児童がいる家庭をターゲットにしているため、このような家庭に関する顧客情報を多数保有しています。万一の漏洩に備え、どのような点に注意してこれらの情報を管理していくべきでしょうか。
まずは、当該顧客情報にアクセスした人が、貴社の営業秘密であることを認識できるようにする必要があります。例えば、文書であれば「部外秘」「秘」といった表示を付する、保管場所を特定し施錠する、閲覧・複製の手続きを厳格化する、使用済みの文書等の廃棄方法等を特定する、等の方法を複数組み合わせることが重要です。
次に、情報にアクセスできる人間を必要最小限度に制限する必要があります。併せて、これらの人物を適切に管理するため、社内における労務管理体制を確立したり、従業員に対する教育・研修等を行う必要があります。誓約書等を提出させて守秘義務を負担させることも有効です。- 詳細はこちら
- 4. 営業秘密の不正取得
A社では、顧客情報をコンピュータで管理しており、当該顧客情報にアクセスできる人物を限定するとともに、当該人物にパスワードを交付する等の方法によって、顧客情報を厳格に管理していますが、A社の従業員が、権限がなかったのにもかかわらず、社内の顧客情報を無断で持ち出し、名簿業者であるB社に売却していたようです。
私は、調査の結果、B社は不正行為を行わない信頼できる会社であると判断したため、B社からA社の顧客情報を購入して利用しました。
ところが、後日、報道等を通じて私が購入した顧客情報は、A社の従業員が上記のように不正に取得した情報であることを知りました。
私はその後もその情報を使用し続けているのですが、このような行為は、不競法に違反するのでしょうか。
もし、違反しているのであれば、私は、A社等からどのような請求を受ける可能性がありますか。そもそも、A社の従業員がA社の顧客情報を取得した行為は、営業秘密の不正取得行為に該当します。
あなたは、顧客情報を取得した時点では、当該不正取得行為を知らなかったようですが、不正取得行為が介在したことを知ってからの顧客情報の利用は不競法に違反します。
そのため、A社は、あなたに対して損害賠償や顧客情報の使用の差止めを請求する可能性があります。また、あなたは刑事罰を受ける可能性があります。- 詳細はこちら
- Get ADOBE READER
- PDFファイルをご覧になるには ADOBE READER が必要になります。
こちらからダウンロードしていただけます。